不況時に最低賃金を上げるという愚策

最低賃金15円増、全国平均時給728円に今年度目安を決定 厚労省中央最低賃金審議会
不況と言われ消費者物価が下がっているのだから、過去と同額の賃金でも以前より使い出があるはずだ。なのになぜこの機会に最低賃金引き上げなのか。

最低賃金引き上げで当面得するのは、賃金を引き上げてもなお利益が残る会社において現在最低賃金で働いている人だけである。
最低賃金の水準で働いている人が多く、会社に利益も残っていない事業は最低賃金の引き上げで倒産に追い込まれるだろう。おそらく中小零細企業の経営者や労働市場で価値のない人(だから最低賃金で働いている)が職を失う可能性が高い。つまり国による最低賃金の引き上げは弱い者から仕事を取り上げる結果を引き起こす。失業者にも必要な生活物資を国が気前良く与えない限り、最低賃金の引き上げは弱者を追い込むだけだ。

賃金水準は、個々の労働者が事業に必要とされているかそしてそれぞれの企業にとってその労働者の代わりは見つかりにくいかによって決まる。より高い給料が欲しければ、より有用で希少価値の高い労働者になるしかない。
ありふれた労働者に高い賃金を払うことを法で定めても、企業が衰退するか海外移転するのがオチだろう。

もし貧富の格差を是正したいなら企業の負担だけにせず、国民全体の負担でお金の再分配をしたらいい。具体的には「子ども手当」のように現金給付したりして子どものいる世帯の経済的負担を和らげるのが、格差の固定を防ぐのに有効だと思う。

カテゴリー: 経済 | タグ: | コメントする

トキの国内繁殖は今しなけらばならないのか

■トキは日本から全滅しても困らない
4日環境省はトキの放鳥再開に向けて、14羽を順化ケージに移した。今年3月にテンが侵入してトキ9羽を失ったケージの4千万円を掛けた改修が7月に済んだ。

トキの保護は「種の保存法」を根拠に行われている。しかし、2003年に日本産のトキが絶滅したのに中国産のトキを持ち込んでまで今繁殖させる必要性が分からない。

中国産のトキなら、中国国内で繁殖が進んでおり1000羽を超える生息数に達しているらしい。中国が「トキの種の保存」に成功しつつあるのだ。あえて日本が中国産の種の保存に煩う意義が分からない。

トキの保護は大きな負担だ。まず、繁殖事業は税金の支出を伴う。
そして繁殖地近くの農家に対し、農薬の使用制限や繁殖後の農作物への被害の可能性がある。そもそも農業と野生動物との共存は難しい。

トキが日本列島の殆どの地域で姿を消して随分時間が経過しているが、人間にとって何か不都合になったことがあるだろうか。
それでも日本列島にトキの存在があった方がよいなら、将来日本の山間地人口がさらに減少し、かつ中国のトキがありふれた鳥になったときこそ繁殖に相応しい時期だと思う。

カテゴリー: 環境保護 | タグ: , , | コメントする

不況は日銀の責任か

民主党の松原仁氏が日銀の白川方明総裁に対し、不況の責任について問い詰めた。
白川総裁は責任を認めなかったが、松原衆院議員は日銀に責任があると言う。

日銀はこの十数年間ずっと低金利に誘導してきた。しかし、お金は国内産業の投資にはそれほど向かわなかった。
不況の原因は、企業と政府両方の投資にあるのではないだろうか。企業がお客の欲しい物を売らないこと、ついでに政府が国民の役に立つサービスを提供してこなかったことこそ問題だ。

松原氏は、日銀総裁を責めれば民主党の支持率が上がるとでも思っているのだろうか。もしそうだとしたらすぐに改心して総選挙の行政のムダ削減など様々な公約実現へ一直線にまい進して欲しいところだ。

カテゴリー: 経済 | タグ: , , , | コメントする

物価下落を素直に喜ぶ

■食費・家賃下落ならワーキングプアを救う
働いているのに貧困状態であるワーキングプアが641万人いると厚生労働省研究班の推定した。貧困の基準はOECDの慣行に準じて、標準的な世帯所得の半分以下とした。1人世帯なら124万円以下という。

現在生活保護を受けているのは約180万人だから、日本の貧困層の大部分は、国の世話にならずに生活を送っているという実態が分かる。

生活保護を受ける人がいる一方、より多くの人が働いているのに保護を受けれずそれ以下の生活水準でいるのは不公平である。
しかし生活保護の給付額を現行のままで支給対象者を増やすより、物価を下げて低所得者の暮らしを楽にした方がいいのではないか。

物価を下げると言うと、物価下落は働く方も困るという反対意見が出るであろう。
しかし近隣のアジア諸国では、日本人の所得の何分の一かで働いているのだ。世界と貿易を通じて繋がっているのだから、いつまでも高賃金、高物価でいられる訳がない。

特に食料に関する貿易障壁を無くして、安い食費で済むと貧困層は助かる。
土地の保有に高い課税をして、地主が空き家や空き地を放出するようになれば少ないお金で中古住宅や土地が手に入る。

食べること・住むことに必要なお金が少なくて済めば、生活保護を受けている人の給付も減らすことが出来る。現行の生活保護制度は働くのが馬鹿らしくなる仕組みだから廃止に向けてどんどん縮小していったらいい。

カテゴリー: 経済 | タグ: , | コメントする

輸入とは悪いことなのか

先日発表された国交省水資源白書に、
世界人口の増加、世界の水ストレスの増大が予測されるなか、
我が国は、食料や工業製品の輸入という形で世界の水を多く消費している国であるという側面もあることから、
世界の水問題に対して積極的に取り組む必要がある。

という記述がある。日本が何か責任を負わなければいけないような感じだか、日本が何かしらモノを輸入することは悪いなのだろうか。

輸入は、売り方買い方双方の合意である。決して略奪ではない。水の確保は各地域の責任であり、その上で物を輸出するべきである。
別な見方をすると、輸出国にすれば余計な理由をつけて貿易に支障が出るより、なるべく大きな輸出高に達するほうが国民の生活が楽になるので好ましいはずだ。
また飢餓の生じている国の食料輸出を阻止するのは、日本一国では対処できない。

日本政府に求められるのは国民のため必要物資を確保すること、それだけである。
国産か輸入かに道徳的な違いはない。どちらの手段でも構わないのだ。

カテゴリー: 経済 | タグ: | コメントする

私立学校への補助金削減

読売新聞の報道によると、橋下徹大阪府知事が私立小中学校の助成金を削減するという。
就任直後の2008年度にも25%削減した後の、再度の見直しとなる。

私立学校としては、公立校の代わりに生徒を受け入れることによって自治体の財政負担は低減するだろうから、その分補助してくれと言いたいところだろう。
しかし義務教育課程は公立校だけで全ての対象者を受け入れることが現状でも可能であるから、その上で私学に助成するかどうかはお金を出す方の考え次第だ。
大阪私立中学校高等学校連合会は「なぜ大阪だけ極端に減額されるのか」と納得がいかないようだが、お金を出す各自治体の勝手だろう。経営が成り立たないならその団体は解散するまでである。

大抵お金を出す方は、貰う方にあれこれ口を挟むもの。独自の理想を持っているはずの私学が助成を当てにするなんて建学時の精神を無くしたのかそれとも大した独自性など始めから無かったのか。

大阪府に限らず、遅かれ早かれほとんどの自治体が歳出に大鉈を振るうときが来ると思う。私学の生き残る道は、授業料が高くても入学希望者に困らないよう魅力を高めることだけだ。

カテゴリー: 教育 | タグ: , , | 9件のコメント

消費者物価下落を歓迎する

総務省は消費者物価指数が前年同月比1%の下落、マイナスは16ヶ月連続と発表した。
大雑把にいうと、電気製品は性能向上の割りに価格は上がらず、ガソリンは上昇、公立高校授業利用無償化も指数を下げる要因になった。

消費者物価下落は、景気が悪い証拠でありいずれ我々の給料の縮小として跳ね返ると言うような意味合いで報道されるようだか、悪いことばかりだろうか。
誰もが買い物する視点では、自分の満足する品質のなかで出来るだけ安い物を手に入れようとする。自分の利益に沿った当然の行為である。物価を下げる方向に作用する力であるが、止めることは不可能だ。
電気製品の進歩も消費者の要求である。
ガソリンは輸入品だから、値上がりして得するのは産油国の国民だ。ガソリンを消費する側の日本人としては値下がりの方が有難い。

日本が貿易を通じて世界と繋がっている以上世界の物価に影響を受けるのは必須である。日本人の給料もそれに応じて変化する。かつて日本から海外に輸出して利益を生み出していた商品が、新興国でより安く製造されるようになった。すると日本の輸出は衰退し仕事は減る。また安い輸入品が国内に流れ込んで物価を押し下げることになる。

日本国内の産業の力が、新興国と比べて相対的に弱くなってきたら新興国の給料の水準に近づいていくのは、当たり前である。さもなくば失業するしかない。
日本人個々の自衛策としては、給料減少に陥っても困らないよう借金をしないでおくことだ。

カテゴリー: 分類無し | コメントする

エコカー補助金はエコじゃない

景気対策そして環境のためを大義名分に麻生総理が始めたエコカー補助金が、9月末で打ち切りになる。

エコカーといっても、クルマの生産自体に大量の資源を使う。もともと走行距離の少ない人が壊れてもいないクルマを買い換えるのは、単なる贅沢である場合がある。エコカー補助金はそんな人にも税金を支出した。環境のためにはクルマを手放すのが、一番いいのだがそんな人には、何の得もない制度だった。

景気対策なら、政府がしなければならない支出を前倒しにすればよかった。例えば、介護制度は現状でも順番待ちが多いのでその対策を打つとか、公立学校の耐震化など民間に任せて置けない分野があるはずだ。

環境対策なら、使って欲しくない物には課税するのが公平だ。石油製品の消費やクルマの所有には、さらに課税をするのが筋だ。

カテゴリー: 分類無し | コメントする

惑星探査機はやぶさ 日本には不用

小惑星探査機はやぶさの地球への帰還が話題になった。マスコミ報道では専ら賞賛する向きが圧倒的のようだ。菅首相をはじめとして与党政治家も、はやぶさの任務完了を評価した。

確かに困難な任務であり偉業と言えるのだろう。しかし日本政府が税金を支出してまで断行する必要のある事業だろうか。
税金の支出には、国民の生活を守るためという建前に沿わなければならない。
日本の抱えている諸問題の解決に小惑星の成分分析を加えるというのは、あまりにも遠回り過ぎないか。

惑星探査に限らないが、宇宙開発はアメリカをはじめ他の国でも行っている。またアメリカではその予算が削減されることもあるようだ。つまり宇宙開発の分野は日本がどうしてもやらなければならないと言う訳でないし、先行している国でさえそう急いでいない。

日本の直面している課題は、少子高齢化社会への対処である。どの国も助けてはくれない。自分たちで乗り越えなくてはいけない困難の克服に専念すべきだ。

カテゴリー: 分類無し | コメントする

保険料無しで、年金給付すべきだ

何も、お札をどんどん刷って老人に撒けというわけではない。過去に払った保険料を無意味にしろといっているのでもない。保険料という形でなるべく払ってくださいというのではなく、増税で賄うということ。消費税のように誰からも容赦なく取る税が好ましい。

現行の国民年金は40年払って満額を受け取っても月6万数千円しかならない。なのに年金保険料を払わず年金受給権のないものの、生活保護を受けてそれ以上の給付を受けている場合がある。義務を守ってきたことが馬鹿馬鹿しくなる実態だ。
ならばいっそのこと高齢者全員に一律給付したら不公平感が弱くなる。その上で今までも現行制度で保険料を決まりどおり払ってきた人には、その分を加味して増額すればよい。

消費税の税率を上げるという法改正だけなら、徴税費用はほとんど増えないだろう。年金機構という組織も整理できる。

カテゴリー: 分類無し | コメントする