不況時に最低賃金を上げるという愚策

最低賃金15円増、全国平均時給728円に今年度目安を決定 厚労省中央最低賃金審議会
不況と言われ消費者物価が下がっているのだから、過去と同額の賃金でも以前より使い出があるはずだ。なのになぜこの機会に最低賃金引き上げなのか。

最低賃金引き上げで当面得するのは、賃金を引き上げてもなお利益が残る会社において現在最低賃金で働いている人だけである。
最低賃金の水準で働いている人が多く、会社に利益も残っていない事業は最低賃金の引き上げで倒産に追い込まれるだろう。おそらく中小零細企業の経営者や労働市場で価値のない人(だから最低賃金で働いている)が職を失う可能性が高い。つまり国による最低賃金の引き上げは弱い者から仕事を取り上げる結果を引き起こす。失業者にも必要な生活物資を国が気前良く与えない限り、最低賃金の引き上げは弱者を追い込むだけだ。

賃金水準は、個々の労働者が事業に必要とされているかそしてそれぞれの企業にとってその労働者の代わりは見つかりにくいかによって決まる。より高い給料が欲しければ、より有用で希少価値の高い労働者になるしかない。
ありふれた労働者に高い賃金を払うことを法で定めても、企業が衰退するか海外移転するのがオチだろう。

もし貧富の格差を是正したいなら企業の負担だけにせず、国民全体の負担でお金の再分配をしたらいい。具体的には「子ども手当」のように現金給付したりして子どものいる世帯の経済的負担を和らげるのが、格差の固定を防ぐのに有効だと思う。

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