東日本大震災 復興財源は何処に求めるか

東日本大震災の復興にかかる費用をどう捻出するか議論になっている。増税やむなしか、その対象は消費税かそれとも所得税か。または増税の前にまず国債を発行して急場を凌ぐか、その際国債の日銀引受を認めるかなど様々な事が論じられている。

■まず被災地自身が負担すべき
多くの主張が日本全体で被災地の復興費用を負担する事を大前提にしているようだ。
しかし被災者が生き続けるのに、どうしても被災地に留めなければならない理由は無い。日本(特に地方)は人口減少が始まっているので、以前よりは他所に住処を見つける事は容易になっているはずである。端的に言って被災地は放置して移住してもらうのが、早くて安上がりな生活再建方法である。

それでもなお今まで暮らしてきた被災地の復興にこだわるなら、当人が相応の負担をすべきだ。例えば住宅の建設費の場合、一方的に国が助成するだけの必要はない。もともと住人が所有していた宅地を担保に資金を融通し、死後その住宅を国あるいは市町村の物としてもいいではないだろうか。

また津波の被害を大きくするリアス式海岸の入り江は天然の良港でもある。その特性を利用して財産を築いた者ならその地形が引き起こす大きな津波から受けた影響にも全責任を持って欲しい。

■日本全体で負担するなら消費税
しかし自己責任を問うても無い袖は振れないし、被災した子供たちには責任など全く無い。結局他の国民が幾らかの負担をするのは仕方ない。

そもそも所得税には所得の捕捉自体が難しいという欠点があるため、過去長い間消費税の導入が求められてきたはずである。日本全体で公平な負担をするという面で脱税しにくい消費税が最適だ。

消費税だと被災者の消費にも課税される点で反対する向きもある。しかし集められた税は他のどの地域でもなく被災者周辺に投じられるのであるから受忍して貰いたい。

また課税に際し被災者を特別に優遇するにしても、一旦支出の際に消費税を払って貰ったうえで後に被災者に現金を給付した方が、全国の所得を正確に捕捉することに努めて所得税増税するより迅速に公平性が実現出来るであろう。

まず国債を発行して復興資金を調達するにしても、いずれその国債を償還するためには消費税の税率を上げるしかないのではないか。

今回の震災の規模になると、もう税制の一時的変更や子ども手当や高速道路無料化実験などの歳出を止める程度では済まないと思われる。
増加し続ける社会保障関係費や財政再建の対策と合わせて恒久的増税に正面から向き合うべきだ。

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