橋下大阪府知事の私立高校無償化

「無理やり芸術を鑑賞させるよりも、USJに行きたいんじゃないか」
大阪府内の公立小中学生全員約70万人を公費で連れて行きたいとした橋下大阪府知事の言葉である。

確かに芸術は特に子供が味わえるように仕上げてある訳も無く(大人でさえ芸術には好き嫌いがある。また鑑賞には予め知識を備えておかなければ理解できないことがある)、生徒の一部は退屈な時間を過ごすだけで終わる。子どもに芸術鑑賞をさせてきたことは、見せる方にも見せられる方にも徒労になってはいなかっただろうか。

しかし大阪府は私立高校の授業料無償化の対象世帯拡大も進めようとしていることもあり、今のところ芸術鑑賞を取りやめることはともかくとして、テーマパーク招待の実現は財政面で困難なようである。

学校教育をめぐって「七五三」という言葉がある。小学校では7割の児童が授業についていけるが、中学生となると5割となり、高校生に至っては3割しかついていけない現状を表している。
大部分の高校生には授業が無駄になっているのだ。

多くの会社が従業員採用にあたって「高卒程度」の学歴を要求する。だから親たちもせめて高校ぐらいは卒業させなければと考える。ついには政府や自治体が授業料無償化を進めて進学・卒業を後押しするまでになった。

これでは無理やり芸術を鑑賞させてきたような過ちを、社会全体が高校教育を押し付けることで再び犯しているのではないだろうか。

見直すのは学校行事や授業料でなく学校の存在そのものではないか。

カテゴリー: 教育 タグ: パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です