自衛隊機は国産でなければならないのか

今日の産経新聞の報道によると、次期主力戦闘機(FX)の導入の遅れを受け、防衛省がF2戦闘機を20機程度追加調達したいという。F4戦闘機の退役が間近にもかかわらず、FX候補であるF35の生産開始が平成28年以降となる見込みのため「繋ぎ」としてF2で補完したいようだ。産経の記事は、F2の生産が途絶えれば戦闘機の生産・技術基盤が失われるとの防衛産業の懸念もくむ措置でもあると指摘する。

いったい戦闘機の生産基盤を守らなければならない理由は何であろうか。
F35はアメリカ以外に十カ国が開発費を出資している共同開発機である。そして参加国の分もあわせて数千機ほど量産される予定だ。他方日本のFXの導入規模は数十機でしかない。そのためだけに生産に関わる人員や設備を用意するのは、割高な機体の単価となって跳ね返ってくるであろう。
戦闘機の生産技術を継承し続けても、今後もアメリカと日本の戦闘機の購入量は何十倍もの格差があり、日本の相対的な高コストは今後も不変のはずだ。そしてさらに重要な点はアメリカ軍の方が実戦に晒される機会が多いため何にも替えがたい情報が得られる。延々と続く兵器開発は、アメリカが他国よりずっと有利なのだ。

日本はアメリカと同盟関係にあるのだから、必要で安く良い物なら同盟国から輸入すればよい。兵器の納期が遅れるなら、軍事力そのものでその間支援してくれるのも同盟国に期待していいだろう。

日本の兵器産業は、同盟国から購入できないものまたは輸入しても安くならない物を開発・生産することに専念すべきだ。

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