赤字地方空路存廃と医療

大手航空会社は従来、羽田便で上げた収益で赤字路線を維持してきた。しかし、日航は赤字路線を抱える余裕はなくなり、破綻のツケが地方に及んできている(毎日新聞)

毎日新聞の記事の理屈が分からない。地方はツケを払ったりはしていない。払ったのは過去の黒字路線を利用してきた乗客、日本航空の破綻に際して債権放棄をさせられた金融機関そして政府(≒国民)である。地方は元々採算の合わない空港と定期便を享受してきた。地方こそツケを他人に払わせてきた方の一員なのだ。

毎日新聞の記事は、北海道奥尻島から航空路線で函館の病院に通う島民や島外から時々専門医を招く島の病院の困惑を伝えている。Webの記事には車椅子の乗客の写真を載せている。
しかし全国の過疎地の中で空港を利用して函館規模の都市の病院に掛かれるところの方が少数派ではないだろうか。本州でも電車の通っていない山間地なら病弱の高齢者が都市に出るのは一日がかりだ。

医療を根拠に赤字空路存続の必要性を訴える地域住民は、空港の建設さえ不可能な全国のほとんどの過疎地を差し置く正当な理由を持っているのか。

医療に限らず、サービス業の多くが人口の過密地帯で成長していく。同様にサービスを受けたいなら、都市生活者と同じく都会に出てきて高い家賃を負担する生活を送るべきではないだろうか。

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