昨年の暮れ漫画「タイガーマスク」の主人公伊達直人を名乗る人物から群馬県の児童相談所へランドセル10個が送られて以来、全国各地の児童養護施設に対し匿名のプレゼントを送る行為が続々と発生している。一連の現象は「タイガーマスク運動」とまで呼ばれるようになった。
中には、児童養護施設ではなく警察署の前にランドセルや現金を置く例も起きている。
その場合警察は施設にプレゼントを引き渡すとは限らず、拾得物として扱い3ヶ月後には県の所有物になる可能性もあるという。
なぜ警察は託された贈り物を、「タイガーマスク運動」同様の行為と類推して素直に受け取れないのか。
■警察もプレゼントすることを楽しめばいい
もしその警察署に他の様々な仕事が溜まっていて、余計な仕事がまた増えたと感じているなら少しは同情の余地もあろう。
しかし法律を厳格に尊重して執行しているという態度なら賛成できない。警察にとって法律を遵守した行政とは冤罪を生まないようにすることが最大の目的である。(要は警察官が自らを厳しく律しろということ)
到底犯罪行為とは呼べない事象に対しては法律の当てはめに頭を悩ませるのではなく、どうすれば丸く収まるのかということを第一に処理すべきである。
また「タイガーマスク」に代わってプレゼントを贈る相手を選ぶのも、実際に受け取る相手の気持ちを思えば、いい気分で取り組めるはずだ。警察が仲介して贈り物を貰うことを拒絶する福祉施設などありはしないだろう。
■プレゼントは「ハズレ」もある、それを許すのが礼儀
「タイガーマスク運動」を受けた当事者である児童養護施設側が、お礼とともに要望を表明した。(全国児童養護施設協議会http://www.zenyokyo.gr.jp/whatsnew/110113.html)
贈り物をする前に児童養護施設へどんな物が必要とされているか確かめて欲しいとのこと。
児童養護施設の運営上少しでもムダを避けたいのが当然といえばそうだが、贈り物にはムダが付き物。送る側の驚かしたい気持ちそして今回の運動なら匿名で喜ばせたい事情を受け取る側は酌んで欲しい。