今年度の文化勲章受章者と文化功労者が26日に発表された。
文化勲章受賞者7人の中には今年のノーベル化学賞を受賞した鈴木章氏と根岸英一氏も入っている。
文化功労者は17人、プロ野球選手としてホームラン記録を打ち立てた王貞治氏も選ばれた。
ノーベル賞受賞者に対しては文化勲章も送られるというのが慣例のようになっているが、追従するように文化勲章も授与すべきであろうか。
ノーベル賞は誰もが認める世界で最も名誉ある賞である。受賞者の名声はその専門分野の中だけに留まらず、世界中のあらゆる層の人々に響き渡る。そのノーベル賞受賞後に同じ業績について再び表彰しても効果は薄いのではないだろうか。
王貞治氏にも同じ様なことが言える。王氏は日本のプロ野球界で活躍した国民的英雄でありホームランの数で世界記録を達成した。「ホームラン王」と称される。現在も他の選手が記録更新する目途は全く立たずその地位に揺るぎが無い。選手を引退後も監督として福岡ダイエーホークスを優勝に導いた。国があえて表彰しなくても国民の間での王氏の存在感はとてつもなく大きい。
国が表彰すべきなのは、社会に対して功績があったにもかかわらず未だ表彰されていなかった人に対してではないだろうか。国民の多くに活躍が知られていても権威ある賞とは無縁だった人もいいだろう。他には業績を上げていても国民の間では無名のままの人に対しての表彰も活躍分野を注目してもらう点で大きな効果がある。