農地除塩全額補助

政府は東日本大震災で津波に遭った農地の塩分を除去する費用を全額全額補助することを検討しているという。(毎日新聞http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/
archive/news/2011/05/03/20110503k0000m010132000c.html

農地の復元に税金を使うのは無駄遣いではないか。

■農業以外に大事な産業はいくらでもある
そもそも農家が他の職業を差し置いて国庫からカネを受け取ることが理解できない。国内農業がサービス産業や小売業そして製造業より価値があるとか、他の全ての産業に必要ということは無い。津波の被害を受けた東北地方沿岸部の自治体内でも農業の生産額は、サービス産業の規模に遠く及ばない。
また東日本大震災で甚大な被害を受けたのは、農業分野だけでない。農家を特別に同情するのはおかしい。

政府が被災した産業に金銭的な助成をするなら、直近の納税額を基準に事業者へおカネを返したら公平で効率的ではないだろうか。
たくさん利益を上げて、国庫を潤してきた企業は早く復活するのが政府としても助かる。逆に納税どころか政府からの補助金頼みのような商売(まさに農業がそれだ)は、以前の状態に戻しても社会全体からすれば大して有難くも無い。

■全国で農地は余っている
日本国内では長期に渡ってコメ余りが続き、減反政策という生産調整がなされてきた。コメ作りをやめた水田の面積の3割近くに達し、その合計は全国で80万ha弱になる。
また「耕作放棄地」になってしまった農地が40万haある。
東日本大震災での農地の塩害は水田を中心として2万3600haと農水省が推定しているようだか、減反政策の影響による休耕地が再び使用されれば塩害の農地を放棄しても日本の農作物需給は問題ないだろう。輸入でもいい。

■地盤が沈下した為また津波の被害に遭う
今回の大地震は沿岸部の広範囲な地域に地盤沈下をもたらした。大地震以前よりも津波や高潮に対し脆弱になっている。
折角塩分を取り除いたところで、台風や今回の震災以下の小さな津波でも再び海水に浸かってしまうであろう。

■今までの繰り返しなら結局農地は廃れる
日本の農業には外国との競争に勝ち目がなく、政治的に日本市場を閉ざして守られている。消費者にツケをまわしているのに、それでも「コメ余り」だったり「耕作放棄地」が増えたり衰退の一途をたどっている。
震災前の状態に戻して今までと同様の農業を続けるのは、納税者や他の農業者の足を引っ張りながら衰退することにならないか。

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農地除塩全額補助 への4件のフィードバック

  1. 農家 のコメント:

    お前のような農業をわかってない奴が、つべこべ言うな!!

  2. 佐藤健 のコメント:

    >農家様

    コメント有難うございます。
    農家さんは、国や地方自治体から何かしら助成を受けているのでしょうか。

    もし「特別扱い」を受けているなら、国民全体が農家を俎上に載せることを耐えるべきです。そして国民の大部分は「農業をわかってない奴」です。

  3. AK のコメント:

     お前が馬鹿だという事だけは分かった。
     外国を見回してみても、第一次産業を蔑ろにして、自壊しそうになっているのが日本だけ、というのが本当に理解出来ないのか?

  4. 佐藤健 のコメント:

    >AK様

    はじめまして。コメント有難うございます。

    日本は今日までコメ農家、畜産業者などを関税障壁や補助金の配分で保護してきました。しかし外国産との埋め難い価格差、市場が求めていない量の(余剰)生産、そして天候や疫病に生産量が左右される点は克服出来る見込みが全くありません。これまでの保護政策が失敗であり、その政策の継続こそ日本の自壊の一因になってしまうのではないでしょうか。

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