一票の格差を放置して損する民主党

なぜ民主党は念願の政権交代を成し遂げたにもかかわらず、真っ先に選挙制度の改革に手を付けないのであろうか。

自民党は有力な支持基盤の選挙区について有権者の少ないまま議員定数を多めに保持してきた。よって自民党政権はホンネでは一票の格差を悪いと分かっていても平等に是正する気はなかったのだ。自民党が権力を失った今こそ、一票の格差を一気に無くす絶好の機会である。
一票の格差是正は自民党に不利に働くが、一票の価値を公平にすることに表向き反対出来る人はいないだろう。

一票の格差是正は政敵である自民党を追い詰めるばかりでなく、同じく不当に一票の価値が高い選挙区が地盤である農業関係者の政治的影響力を削ぐことが出来る。
自由貿易の交渉は、国内の農業関係者の国政への影響力が小さいほど楽に進む。

民主党は、国民の一部に根強い反対があることを承知した上でなぜ外国人地方参政権付与法案を半ば強引に早々と通そうとしたのであろうか。
付与対象とされる一般永住者と特別永住者を合わせても90万人程度にしかならない。仮にすべて対象者が全て民主党の支持者と化しても、代わりに次の国政選挙でそれ以上の得票数を減らしてしまうだろう。

その点一票の格差是正は、有権者が多いのにもかかわらず議席配分が少ない大都市の選挙区に強い民主党の追い風になる。格差是正をしたという理由だけで去っていく支持者は不当に一票の価値が高かった選挙区の有権者だろう。しかし格差是正によって彼らの影響力は大きく削がれるのだ。

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