航空機燃料税を下げるのは環境に悪い

国土交通省は国内線の航空機の燃料にかかる「航空機燃料税」の現行税率を2分の1に引き下げるよう2011年度の税制改正で要望するという。

減税の背景として航空機燃料税が採算の取れない空港建設に使われてきたので見直すこと、そして日本の航空会社の競争力を高める狙いもあるらしい。

減税が実現するとあそらく運賃も下がるだろう。すると利用機会が増え燃料をより多く消費し、結果CO2の排出がさらに増えてしまう。そもそも航空機は自家用車同様環境に悪い乗り物なのだ。

日本の航空会社の競争力を高めると言っても、国内線は外資だろうが航空機燃料税は掛かるだろうから、特に不公平という訳ではない。第一、特定の業界を国が助成することに対し理由が「競争力をつけてやる」というだけでは足りない。特定業界への財政的支援は、相対的に国民や他の企業の税負担に頼っていることなのだから。

CO2の排出を削減するのが国家の目標なのだから、化石燃料に掛かる税は減税の対象から除くべきではないだろうか。むしろ増税するくらいでないと早期の目標達成は難しいくらいだ。
羽田や新千歳空港などは引き続き拡張に値する潜在需要があると思う。そこに航空機燃料税の「上がり」を使えばいい。

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部活ごときで熱中症になる迷惑

16日埼玉県で高校野球部の練習中、吐き気などを訴える生徒が相次ぎ、7人が病院に運ばれ3人が入院したという。

高校の課外活動のごときで一度に7人も熱中症を出し、救急車を呼ぶとは迷惑なことだ。

日本で多くの中学生高校生が野球に打ち込んでいる。彼らは運動において同学年の中でも特に優れた素質をもっている。そして放課後や休日など練習に長時間費やしている。

ところが、彼らがプロ野球選手にまで成長してもオリンピックでは外国選手にしばしば敗北を喫する。
若くて何を学習するにも貴重な時期、野球の練習に明け暮れた結果がこれである。
練習方法が悪いのか、そもそも人種が野球に向いていないか。

毎年プロ野球選手として迎えられるのは、たかだか数十人である。
残酷だけれども、中学校や高校の指導者は実力の伸びない生徒に対し早く引導を渡すべきではないだろうか。

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低所得者の熱中症死

■家賃より電気代をかけろ
さいたま市で年金暮らしの76歳男性が熱中症で死亡した。病弱の無職長男が同居していたという。生活に困窮し10年前に生活保護を申請したが、認められなかったそうだ。電気の使用は解約しておりエアコンを使用していなかった。埼玉新聞によると死亡した男性の年金が2ヶ月で十数万円、家賃が月5万5千円かかっていた。

退職後年金だけに頼って生きるなら、何も大都市で暮らさなければならない理由は無いはずだ。退職までにもっと安い家賃の借家を見つけてもらいたいものだ。
そもそも国民年金では掛け金を満額納めても、死亡した男性とそう変わらない受取額なのだ。老後の年金収入はその程度の収入にしかならないという大前提で生きていかなければならない。

生活保護を受けるにしても、働かないのに使い道が大都市の借家の家賃では税金が勿体無いではないか。

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口蹄疫後の国の歳出

■そもそも地域再生まで国が面倒見る必要は無い
日経新聞によると東国原英夫宮崎県知事は、菅首相に対し口蹄疫対策特別措置法で規定している地域復興に向けた県の基金創設に関し、県が検討している300億円規模のほぼ全額を国費で賄うように要請したそうだ。

確かに口蹄疫対策特別措置法23条で地域再生のための支援に基金を設置を講ずると定めている。
しかし県が総額を決め、国が全額を持つとまでは決まっていない。

もう法律で決めてしまったので、国は宮崎県の地域再生にも結局いくらかお金を出さざるを得ないだろう。
今後は、発生した病気の域外への拡散防止と殺処分の補償のみ国が責任を持ち、地域再生や関連産業の再建は極力当事者に負ってもらいたい。彼らがその地でその業を営むことを選んだのだから。

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終戦の日の朝日新聞社説

「終戦の日」の今日、朝日新聞は「昭和システム」との決別と題した社説を掲載した。
倉本聰の演劇作品やジョン・ダワーの著書を援用して現在の日本の閉塞的な状態を説明している。

社説はダワーの著作をもとに、
軍と官僚が仕切る総動員態勢によって戦争が遂行されたのと同じやり方で、戦後も、社会は国民以外のものによって仕切られてきた。
と戦後の官僚制の日本を表現している。

しかし官僚だけで日本の戦後が指導されてきたのだろうか。
戦後の日本国の運営は度重なる選挙の洗礼を受けているので、国民は仕切られる一方とは言えない。例えば戦後に地方まで張り巡らされたアスファルト舗装道路、採算の取れない空港、無数の租税特例措置、農業など一部の業界への補助そして諸々の歳出を賄うための国債発行、すべて一部あるいは全部の国民の要望と政治家の影響力があってこその結果だ。

行政サービスの範囲が広くなれば、政府の役人の数は多くなっていく。そして省庁間の政策の矛盾で後々問題に発展することの無いよう役人たちの判断や行動がますます慎重になっていく。必然的に官僚制は硬直的なるものなのだ。それを善悪で論じてもそれほど有意義ではないと思う。

官僚を非難するより、行政サービスの範囲を再検討する方が建設的であろう。役人の仕事ぶりに国民が満足できないなら、その仕事を行政から外すという選択肢の検討が必須である。

選挙で権力者を選ぶ体制はとっくの昔に確立している。問われるのは国民のまとまった意思である。当然責任は国民が負う。

朝日新聞の社説は、端的に言って「弱い」感じがする。今日は三人から援用していたり、結論には新鮮味もしつこさもない。所詮合議制だから当たり障りのないつまらない文章なのか。それとも沢山の購読者を抱えて商売しているうちに、一部の読者の機嫌を損ねて減収になるのが怖くなったのかと意地悪な見方をしたくなる。

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公設秘書の給与は日割りではいけないのか

■議員歳費は日割り 公設秘書も同じ
産経新聞の報道によると、民主党の秘書会が公設秘書の給与については日割り支給の適用除外とすることを要請しているという。

もし議員が国会以外の期間以外も公設秘書と同一人物を引き続き使いたいなら私費で雇えばいい。また、議員辞職から再選までの間は、新人候補との公平性を考えると秘書の給与を国が持つ訳に行かないだろう。

そもそも国会の日程や議員の任期に左右されない収入を望むなら、政治の世界で働くことには向かないと思う。

おそらく国会の開催時期かどうかを問わず議員のもとには様々な陳情が多く、それを捌くのに人手が掛かっているのが現状なのだろう。
しかし陳情の内容によっては、問い合わせや面会以前に予め断念してもらう仕組みや態度を取ることが避けられないはずだ。陳情を全て受けていたら、あまり国の世話になるのを潔しとしなかった人まで、とりあえず陳情をしてみなければ勿体無いと考えるようになるかもしれない。

陳情も国会議員の秘書の数も、希望を全て聞いていたらキリがない。

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円高を止めるなら

■円高傾向を止めたいなら外国からモノ・サービスの購入を増やす他ない
円高が進んでいる。一時1ドル85円を割り15年ぶりの円高水準となった。
毎日新聞によると直嶋正行経産相は「日本企業は大きな為替リスクにさらされており、これがフェアな競争条件か考える必要があると思う」と話したという。

しかし経常収支(貿易・サービス・所得)が黒字基調なら通貨高になるのは自明である。日本の経常収支はもう30年近く連続で黒字のまま推移している。円高は善悪の話ではなく、当然の帰結である。
世界市場で稼いでいる企業なら、生産部門を出来るだけ低コストな地域に移すのは当然の行為である。日本が比較的高コストなら出て行くことになる。企業は利益を生む場合のみ存続できるのであり、雇用のために存在している訳では決して無い。

もし日本政府が国民の雇用のために、海外移転や廃業の危機に瀕している企業を引き止めたいなら円高の影響に見合った利益を企業に与えるか円高そのものを是正するしかない。前者なら税金の引き下げや企業の活動に足かせになっている法制度を変えることがあげられる。後者は輸入拡大だ。

税金を引き下げるのはいいが、減税にも限度がある。法制度も何かしらの意義があるので、「無法」と言うわけには行かない。
企業活動がより活発になった結果、輸出企業がさらに輸出額を増やせば、円高はますます進んでしまうかもしれない。
結局は儲けた分だけ、使う(輸入する)ことが根本的な解決だ。

直嶋経産相はフェアな競争条件と言及したが、そもそも日本自体が海外に対して(そして国内の新興企業に対しても)公正であったろうか。
国内産業の保護・育成を大義名分として閉ざされた市場ではなかったか。
外国の企業に取って代わられるはずの会社を潰さないで置くのは、円高を招いて輸出企業を苦しめるだけでなく、消費者に狭い選択肢と物価高を押し付ける。長期的には資源の有効な配分を損ない、国を衰退させるのではないか。

世界の新興国の人々が低賃金で働き、日本の地位を脅かしている。そして日本は今後急激な労働力減少に向かうこともあり、なおさら人的資源をムダに出来ない。相対的に弱い企業には早々と退場してもらうべきなのだ。

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食料自給率向上より食料備蓄

■所詮天候に左右される農業生産よりも食料備蓄が確実
日本の食料自給率が1%下がり、40%となったと山田農相が発表した。また農相は先日、農家に対する戸別所得補償制度について1兆円規模を目指すと述べた。

世界的な食料危機に備えた国民の食料確保には、食料自給率にこだわって日本国内の国際的競争力の無い農家に毎年1兆円くれてやるより、その分を穀物の備蓄に全額当てた方が安心確実ではないだろうか。

ジェトロの貿易統計によると、穀物が高騰した2008年でさえ穀物・加工穀物の年間輸入額は1兆1241億円である。カロリーベースではだいたい国民に必要な分の半分にあたるだろう。
毎年1兆円の国家予算を輸入穀物の購入・備蓄に使えば、実施5年目で全国民に必要な熱量の2年分を準備できる計算が成り立つ。(現在のコメの備蓄は約100万トン、年間消費量の7分の1に過ぎない)

無事食料危機が発生せずに済めば、過剰な備蓄を慢性的な飢餓の地域に援助すれば無駄にならない。

国内の農家を保護するやり方では、自由貿易という建前から見ると不公正である。また国内であっても凶作に見舞われる可能性はある。

国内外問わず安いところから購入し備蓄しておくのが最も安心で、公正であろう。

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日本からのハイチ復興支援

■日本からヒト・モノを送り込むには遠すぎる
今年1月に発生したハイチの大地震の国際的な復興支援はまだ続いている。自衛隊も2月からPKOの一環として参加し、8月下旬には3次隊が出発するという。
肝心の活動内容はというと、
陸上自衛隊の施設部隊を中心とする隊員を派遣し、がれきの除去、道路補修、軽易な施設建設等の業務を実施(内閣府国際平和協力本部事務局)
だそうだ。これらが自衛隊を海外派遣してまで取り組むに相応しい作業なのか大いに疑問が残る。

自衛隊は日本でも将来必ずやってくる大地震から国民守ることを期待されている。人命救助の錬度を上げるためにも国外で活動する機会を利用しない手は無い。もちろん外国の被災者の役に立つ。

しかし下敷きになった人の救出や一刻を争う傷害の治療が済んだら、後は現地や近隣諸国に任せて帰還すべきではないだろうか。
被災国の国民が日本人より所得の低い国なら、自衛隊員に高い給料を払って作業させるより現地あるいは近隣の人々に仕事を与えた方が有効なお金の使い方だと思う。低賃金で働いてくれるし、彼らの生活の糧を得る助けにもなる。先進国の人的な援助が必要だとしても、比較的近い国が当たるのが派遣の効率がいい。ハイチの場合なら、アメリカが至近だ。日本の位置からはほぼ地球の反対側にある。あまりにも遠すぎやしないか?
遠い被災地を助けるなら、資金援助で役立てばいい。

ハイチの災害に対する自衛隊の出動は遅すぎた。海外の震災にも向き合うつもりなら、救助に当る人の周到な準備と政治家の素早い決断が不可欠である。

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国民年金の全額税負担

厚生労働省は5日、国民年金保険料の2009年度の納付率が59.98%だったと発表した。
では納付しなかった4割の人は将来無年金になるかというとそうではない。、25年分納付するか低所得ゆえに免除の申請をすればいくらか給付を受けることになる。仮に40年の納付すべき期間のうち、最低限の受給権が発生する25年のみの納付実績なら納付率は、62.5%ということになる。ともかく無年金になる人は割合で言えば、僅かに過ぎない。
しかし全くの年金無しの老人が少ないからといって問題が無いわけではない。無年金者や小額の年金受給者で老後のための蓄えを怠ってきた人は、結局生活保護を申請して国の世話になろうとするだろう。

馬鹿らしいのは、現行の生活保護制度だ。勤労世代でも年金受給世代でも、働かず年金保険料も払わずにいる生活保護受給者の方が手取りが多い場合もあるのだ。

義務を果たした人より、果たさなかった人の方が後々現金給付が多いという不公平を完全に解消するためには、保険料未納という状態を皆無にしなければならない。未納状態を無くすなら、徴収方法は消費税が一番いい。日本共産党の言い方を借りれば、消費税は「容赦なく課税されます」から。

今まで、保険料をきちんと納めてきた集団には納付額に応じて年金を増額すればよい。

簡易生命表によると65歳になっても男は86%、女は93%の確率で生き残っている。
ほとんどの人にとって老後はほぼ確実にやってくる。国は国民皆年金というお節介を堅持すべきだ。

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