■日本国内に牛・豚の畜産業は要らない
宮崎県を中心とした口蹄疫は新規の発症もなく、牛や豚の殺処分が進み収束に向かっているようだ。
口蹄疫対策特別措置法によって、消毒、死体の埋却、患畜及び疑似患畜以外の家畜の予防的な殺処分には時価評価額の全額で補償するなど国費が投入される。国による畜産業者への補償額は総額で数百億円に上るようだ。
口蹄疫は高い伝播性を持つ一方、確実な予防策がないので各畜産農家が自助努力だけで家畜を守ることが困難である。よって感染拡大を防ぐために国の責任で移動制限や殺処分などの強制的な対策を打つのは仕方がないといえる。
しかし、既存の畜産業者たちが完全に復活するまで税金を使うという発想には反対だ。
口蹄疫のウィルスは人間には無害で、また感染した家畜の肉を食べても人体には問題が無い。家畜が感染すると弱ったりまれに死んだりするので、もっぱら畜産業を守るために口蹄疫を征圧するのだ。
日本の国民からすれば、別に国産の肉をどうしても必要としている訳でもなく、牛肉や豚肉そのものが食べられなくなっても他のタンパク源を見つけて生きていける。
国内に存在する様々な商売の中で、とりわけ畜産業存続の経費を国民全体で負担する大義名分はない。国産の肉に拘る消費者に対して、コストを価格に転嫁できなければ廃業するべきではないだろうか。