農林水産省試算 TPPで壊滅するコメ農家

EPA(経済提携協定)・FTA(自由貿易協定)そしてAPEC開催直前まで話題になったTPP(環太平洋戦略的経済提携協定)締結によって日本が世界に対し関税を撤廃した場合、国内の産業にどんな影響を与えるか。
農林水産省が農林水産物全体への影響について試算した。
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/renkei/fta_kanren/pdf/siryou3.pdf

その中で最大の影響があるのが「コメ」である。
国内の生産量にして90%減少するというからほとんどのコメ農家は壊滅必至だ。

農林水産省は端的なシナリオを記している。
「外国産米の価格は、国産の1/4程度(内外価格差4倍強)であり、品質格差も今後の品種転換等により解消可能。」
「米国では、輸出量が現在約400万トンあり、これにアジア諸国等の輸出量を含めると我が国の生産量を上回る水準。」
「国産米のほとんどが外国産米に置き換わり、新潟コシヒカリ・有機米といったこだわり米等の差別化可能な米(生産量の約 10%)のみ残る。」

つまり海外のコメ輸出国は既に格安なコメを日本の全消費量分を供給する能力を持っている。そして今後さらに美味しくなり国内産のコメはほとんど不要になるいうことだ。

資料によると、外国産と競合する国内産のコメの価格は1キロ当たり247円。対し外国産は57円としている。

去年の日本人一人当たりのコメ消費量は、58.5キログラムである。試算どおり消費者が値下げの恩恵を受けられるなら、約1万1千円得することになる。4人家族世帯なら4万4千円の得だ。

振り返ると、今まで国家の食料安全保障などと言う名目で国民は高い買い物を強要されてきた。

しかし海外から輸入すれば国内産の4分の1の価格で手に入るなら、一年以上の消費量に相当するコメを凶作に対する備蓄用として余分に購入しておくことも不可能ではない。
むしろ日本国内の凶作の危険を勘案すれば、備蓄をして食料不足に備える方が確実な食料確保策ではないだろうか。

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