私立学校への補助金削減

読売新聞の報道によると、橋下徹大阪府知事が私立小中学校の助成金を削減するという。
就任直後の2008年度にも25%削減した後の、再度の見直しとなる。

私立学校としては、公立校の代わりに生徒を受け入れることによって自治体の財政負担は低減するだろうから、その分補助してくれと言いたいところだろう。
しかし義務教育課程は公立校だけで全ての対象者を受け入れることが現状でも可能であるから、その上で私学に助成するかどうかはお金を出す方の考え次第だ。
大阪私立中学校高等学校連合会は「なぜ大阪だけ極端に減額されるのか」と納得がいかないようだが、お金を出す各自治体の勝手だろう。経営が成り立たないならその団体は解散するまでである。

大抵お金を出す方は、貰う方にあれこれ口を挟むもの。独自の理想を持っているはずの私学が助成を当てにするなんて建学時の精神を無くしたのかそれとも大した独自性など始めから無かったのか。

大阪府に限らず、遅かれ早かれほとんどの自治体が歳出に大鉈を振るうときが来ると思う。私学の生き残る道は、授業料が高くても入学希望者に困らないよう魅力を高めることだけだ。

カテゴリー: 教育 タグ: , , パーマリンク

私立学校への補助金削減 への9件のフィードバック

  1. 立秋 のコメント:

    私学助成を論じる前に「民業圧迫」という暴力について触れることも大切だと思います。
    私学が培って来た努力を損なうことは避けなければなりませんしほんらい「公立」が担う
    べき落ちこぼれ学生を受け止めている私学の役割も考えなければなりません。

    国や県は私費に頼り過ぎです。

  2. 佐藤健 のコメント:

    立秋様

    はじめまして。
    立秋さんのコメントが、当ブログのはじめて頂いたコメントになります。有難うございます。

    橋下知事は、小中学校を対象に補助金を削減するようです。
    私立の小学校や中学校に入学させる理由は、大学進学まで見据えて有利だとか、公立に入学してくる子どもはどこの馬の骨だか分からないからできれば付き合いたくないなどということが多いと思います。落ちこぼれが原因ではないでしょう。
    自治体として、私立の小中学校に今までどおり補助金を払いつづけるより、補助金を廃止して私立小中の在校生を受け入れた方がマシと判断するのも悪くないと思います。

    義務教育は国民の権利です。行政が全国の児童に対し延滞無く提供する必要があります。ですから予め義務教育の内容も施設の準備も行政の責任で進めざるを得ません。その結果公立中心の義務教育制度が出来上がってしまうのは当然の流れです。
    義務教育は公営のままで効率的なのか、または私立の方がもっと良い教育効果が出るのか私には良く分かりません。現状では有権者の大多数が公営を支持した結果私立学校は衰退・倒産しても仕方ないと私は思います。

    高校以降の学校の場合、落ちこぼれの学生を私学が受け止めているのは明らかですね。
    ただし、勉強の出来ない人はそもそも進学することはないと思います。それに助成するのもムダです。

    また、是非当ブログにお越しくださいませ。よろしくお願いします。

  3. 青空 のコメント:

    >ただし、勉強の出来ない人はそもそも進学することはないと思います。それに助成するのもムダです。

    私が始めてのかき込みでしたか。お騒がせします。
    佐藤さんの考えよく分かりました。

    一点だけ。

    勉強のできない子どもが高校に行かないのはよいとして
    義務教育でない高校課程で 公立と私立(30%弱)に学費の差をつける必要性はあるでしょうか?

    大学になると日本の場合はほとんど私学(75%)です。これなど国立公立の学費が低く抑えられているため
    私学は学費を上げられずこれが日本の大学の依存体質を招いているとも指摘されています。

    公立、私立というのは運営主体の区別であってこと教育をする研究をするという点では同じく「公益」
    を担っているのであり、そもそも学費に差を設ける理由はないと思います。

    運営主体が自由に学費設定をするのは経営努力ですので自由に良いと思いますが。

  4. 青空 のコメント:

    公立や国立の教育機関に対する過渡の交付金の方が税の公平を損なっていると思いますので
    こうした疑念をコメントした次第です。
    余り頻繁にアクセスできないかもしれませんがまた時間があった際に遊びによらせて頂きます。

    それでは。

  5. 佐藤健 のコメント:

    青空様

    美しいハンドルでご投稿頂き有難うございます。

    青空さんの指摘する国公立の教育機関に対する過度の交付金は不公平であるという点については賛成です。
    国公立大学でも、運営は国からの助成金に頼らず存続を懸けて入学希望者をたくさん集めるべきです。
    国公立私立を問わず大学に直接助成するのではなく、勉強の出来る生徒に使途自由な現金を少なくとも数百万円程度給付して、彼らが学校を選別すれば公正な競争環境が出来ると思います。

    高校は大学に比べれば、どこも授業内容は似たようなものです。もし私立の運営費が公立より安く教育効果も遜色無いなら、私立を助成し漸次公立校を減らしてもいいかもしれません。

    批判も大歓迎です。また機会がありましたら、コメントをお寄せください。よろしくお願いします。

  6. 緑の のコメント:

    片山さつきさんのブログから、あのイケメン俳優の佐藤健さんを想像してアクセスしました。

    私立学校の補助金についてですが、私は、出すべきだと思います。
    なぜなら、公立の教育が、よくないから、私立を選ぶのです。
    いい教育をしているのであれば、そのお陰で日本は立ち上がれるかもしれないからです。
    補助金を使いたくないのならば、行政は、教育を質の高いものにすればいいのです。
    私立に負けないくらい。
    それができるから、自信があるから、大阪府は、補助金をカットしたと思いたいものです。

    コメントの中で、「勉強のできない人は、進学する必要はない。」という考え方、とても理解できます。
    だけど、今の日本、そんなこと言っておれません。
    総理大臣だけが賢くても、日本は前へ進めません。
    自分だけが賢くても、なにも変わりません。

    社会主義では、決してありませんが、水準を高くする必要はあります。
    むしろ、今は飛びぬけて賢い人がいないから、政治も官僚も企業も回っていないのでしょう・・・・。

  7. 佐藤健 のコメント:

    >緑の様

    はじめまして。片山さつきさんのところからのご訪問ですね。コメントまで有難うございます。
    あのイケメンなタレントのデビューのお陰で、恐らく千人程度は存在するであろう全国の佐藤健さん達は私同様当惑していると思います。きっと緑のさんが私の顔を見たら、「ショ、ショボいオトコ!」とガックリすること請け合いです。

    まず私自身は誰でも行ける地元の公立小中高を出ているだけであり、私立学校の授業については単なる想像を言っているに過ぎないとお断りしておきます。

    さて、私立学校は公立に比べていい教育をしているのでしょうか。
    私は取り立てて私立が素晴らしい授業を提供しているとは思えません。
    使用する教科書は公立私立とも文部省検定済のものです。
    どんな科目をどれだけ配分するかというのも大雑把ですが規制があります。数年前その規制を破って大学受験に直結した科目を相対的に多く実施した高校の存在が公立私立を問わず問題になりました。

    また私立の教員が公立の教員より能力が総じて高いとも考えにくいです。
    もし私が教師として就職するなら公務員として公立校に勤務したいですね。大抵の市町村にはいくつもの学校があり、定期的に人事異動があります。そこが決定的に私立と違います。

    それに比べて私立の学校法人ははるかに規模が小さく、人の入れ替えは期待できず息苦しい職場だと思います。集団のメンバーが固定しているとそこでは先輩が幅を利かしますから。
    私立校といっても様々な校風があり、また学力レベルの差もありです。
    実際教師を志望している学生も、たいてい私と同じ様なことを考えているような気がします。
    何か私立校特有のいい人材を惹きつける要素があるのでしょうか?

    私は所詮「いい学校」というのはもともと学力の高い生徒を入学させているゆえ結果的に一流とまで称されるのだと思います。それは現在の授業内容や教師の能力は優れているというより、昔からの伝統(流れ)です。

    過去の一時期高校受験では「学区制」を取り入れ、優秀な生徒の移動・集中を制限しました。そのせいで公立名門校に集まる生徒の学力水準が落ち「伝統」(流れ)が断ち切られる危機が生じたのです。
    地方において伝統ある公立校は、今なお名門校として一流大学合格者をたくさん輩出する力があります。
    しかし大都市の場合私立校という選択肢も豊富です。、公立名門校が優秀な生徒集めに苦労したこの時期に、私立校が台頭し優秀な生徒が集まる「流れ」を獲得することが出来たのだと思います。

    以上のとおり、私は今のところ「私立はいい教育をしている」という前提をとりません。
    緑のさんは、私立校のいい教育について具体的かつ決定的な事例をご存知ですか?それはすべての学校で取り入れるのが可能であるなら結構なことですか。
    よろしければ教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

  8. 緑の のコメント:

    私は、高校だけ私立でした。
    私立の高校にあこがれ、進学しました。県で1番の進学校というわけではありませんでしたし、校風が私に合っているとも思いませんでしたが、ただ公立の高校と比べどうかといわれると、公立を知らないので、分かりません。

    とりあえず、我が家の長男が、中学受験をし、第1希望が私立の男子校です。
    地元の中学と比較してみたいと、楽しみにしています。

    公立の小学校に通う今、疑問はたくさんあります。
    一生懸命頑張った成績のいい子は、さほど評価されず、宿題をしない、成績の悪い子のほうが、ほめたたえられるのです。
    運動会でも、転げても最後まで頑張った児童や、びりでも最後まで走った子供は、大変評価されますが、いつも1番で1番をとるために、学校から帰宅して、走り続ける児童は、評価されないのが、今の公立の小学校の現状と思います。
    (そこそこの成績の子供は、みんな、
    「問題ありません。」
    デ、5分もかからない懇談会。
    それならしないほうがいい。
    どの子にも、その子なりの成長を支援してほしいのですが、そうはいかないようですね。
    できない子中心の公立。
    それならば、できる子中心の私立に行かせて挑戦してほしいと思ったわけです。
    まあ、そこで落ちこぼれたら、お笑いですが、そうするしかありません。)

    そして、中学になり、どんな状態でもほめられ続けた子供たちは、中学ギャップという状態になるらしく、それを緩和するために小中一貫教育を始めたのが、現在の公立の教育の最先端らしいです。
    公立高校を無料化したようなので、今度は、高校ギャップができたら、小中高一貫教育ができるかもしれませんね。
    そして、大学ギャップ、就職ギャップに対応策を考える羽目になるかもしれません。

    そんな今の行政にたくさんの税金をつぎ込み、その行政が、教育を議論しながら邁進しているとは思いません。
    不景気の今、できる限り職員を減らし、設備のコストを下げ、それなりに仕事をこなしているようにしか見えません。

    同じ、それなりの仕事をこなしているのならば、少子化でリストラに合わないために、入学生徒が減らないために、魅力的な学校作りを目指しているように見える私立のほうが、邁進しているように見えるのです。

    それなら、私立にお金をかけてほしい。
    そう思います。
    授業料を負担して欲しいわけではありません。
    きちんと払います。
    ただ、みんなが払った税金。
    私立出身の多くの方々が、我が国のために大きな役割を果たしているのも事実ではないでしょうか?

    過激ですみません。
    現在、小中一貫教育で、教育委員会と議論をしているので、熱が入ってしまいました。
    こんなこと、日頃は、言えませんよ。

    私立校のいい教育、いつか、お話しできたら、幸せだと思います。

  9. 佐藤健 のコメント:

    >緑の様

    ご返事有難うございます。

    さすが現役の「小学生の親御さん」ですね。
    今時の公立小学校の風景がよく伝わってきました。
    一部の手のかかる児童や、逆に学校に対し無関心すぎる親の存在。誰でも入学できる無料の義務教育の一側面ですね。

    公立も私立も提供するサービスに大差なしという私の予想は、もしかしたら間違っているかもしれません。
    ただし子どもたちの間には埋めがたい学習能力の違いがあり、入学者の元々の成績が学校の評判を最も左右するという私の考えは同じままです。

    緑のさんは別として、他の親は公立校のサービスを受けていないなら、その分私学の授業料を補助してくれてもいいはずと内心不満を持っているでしょう。その気持ちは分かります。

    しかし究極的には(大学)受験が能力のある人をふるいにかける制度であると割り切って、受験最優先の学校を社会が用意し、余計な授業の強要をやめることが金銭的負担を和らげる一番の方法だと思います。財政負担も減りますし、塾・予備校の世話になることも少なくなるでしょう。

    どうか緑のさんのご長男が第一志望の学校に合格しますようにお祈りしています。
    もし私学が期待以上の環境を用意していたら、是非機会のあるごとに親御さんたちで公言したらいいと思います。それが広まればもっといい学校制度になっていくのではないでしょうか。

    ご訪問有難うございました。また機会があればお立ち寄りください。よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です