■所詮天候に左右される農業生産よりも食料備蓄が確実
日本の食料自給率が1%下がり、40%となったと山田農相が発表した。また農相は先日、農家に対する戸別所得補償制度について1兆円規模を目指すと述べた。
世界的な食料危機に備えた国民の食料確保には、食料自給率にこだわって日本国内の国際的競争力の無い農家に毎年1兆円くれてやるより、その分を穀物の備蓄に全額当てた方が安心確実ではないだろうか。
ジェトロの貿易統計によると、穀物が高騰した2008年でさえ穀物・加工穀物の年間輸入額は1兆1241億円である。カロリーベースではだいたい国民に必要な分の半分にあたるだろう。
毎年1兆円の国家予算を輸入穀物の購入・備蓄に使えば、実施5年目で全国民に必要な熱量の2年分を準備できる計算が成り立つ。(現在のコメの備蓄は約100万トン、年間消費量の7分の1に過ぎない)
無事食料危機が発生せずに済めば、過剰な備蓄を慢性的な飢餓の地域に援助すれば無駄にならない。
国内の農家を保護するやり方では、自由貿易という建前から見ると不公正である。また国内であっても凶作に見舞われる可能性はある。
国内外問わず安いところから購入し備蓄しておくのが最も安心で、公正であろう。