警察の音楽隊

「世界のお巡りさんコンサート in U.S.A.」なる催しがニューヨークで開かれた。世界と言っても、参加団体は、地元ニューヨーク市警察音楽隊と日本の警視庁音楽隊そして中国首都警官楽団の三団体のみである。
カーネギーホールでのコンサートのほか、5番街での「コロンブスデー・パレード」にも参列する。

トニー・ジオージオ隊長「音楽を通じ、市民の生活を守る警察の使命を世界中に示したい」
小林久仁郎隊長「各音楽隊との友好関係がさらに深まり、私たち警察が共有する『安心・安全』に対する思いを音楽に乗せて世界中に発信したい」
指揮者の劉燕平(りゅうえんぺい)氏「このコンサートを通じて異なる地域、文化が交流し、平和と友情の橋が構築され、世界の警察間の友好と協力関係が増進されると信じています」
(毎日.jp)

皆揃いも揃って世界やら友好やらと言い出した。
実際のところは、開催地に限定された娯楽であり、ごく一部の演奏好きな警察官の発表の場でしか無いだろう。二日の演奏で警察の使命の発信とか友情の橋の構築などありえない。

交流や協力関係を築きたいなら、どちらか一方からでも警察官を何年も派遣して薬物犯罪や密入国など国を跨ぐ犯罪の捜査に協力したらどうだろうか。
多国間の犯罪でないにしても、外国人犯罪のの取調べには犯罪者と同じ出身国の警察官がウソを見破る力を発揮することもあると思う。
日本国内の中国人の犯罪を中国人の警察官が取り調べに活躍する機会は、割と多いのではないだろか。

ニューヨーク市警察の音楽隊の隊員たちは全員パトロールや事務に携わり、その合間に練習をするという。
その程度なら財政への負担は少ないうえ、納税者の理解も得やすいのかもしれない。

一方警視庁音楽隊の数十人に及ぶであろう隊員たちは、演奏活動に専念している。
彼らは都民と警察を結ぶ「音の架け橋」だそうだ。

交通安全運動や小・中学校での音楽鑑賞会を催しているが、はたしてその類の目的で警察官を充てる必要性があるのか疑問である。「都民と警察を結ぶ」(これ自体不要な目的だと思うが)ことに寄与しているのか。単なる音楽鑑賞や交通安全の訴えなら民間企業に委託した方が費用が安くならないか。

もし警察が情報を集める上で住民から協力を得たいと考えているなら、たまに音楽の演奏をみせるより住民から見える普段の働き方を改善すべきだ。
交番、警察署の窓口あるいは運転免許試験場でもどこでもいいが、旧態依然とした働きぶりや役所特有の横着な態度を見せられたら住民はどう思うだろうか。おそらく自分の身に関係の無い事件の捜査のことなどどうでもよく、面倒なことには一切関わらないと決め込む人が少なからず生まれるだろう。

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