余計な農業・漁業の復興

東日本大震災で、津波に襲われた沿岸部の農地は海水と汚泥に覆われた。また漁港の設備も破壊され、漁業者の多くは漁船を失った。

しかし彼ら農家や漁業者への同情の念から復興を後押しするよりも、生産手段を失ったのを機会に引退してもらった方が日本全体としては良いのではないか。

■コメは余っているし、魚もそれほど人気が無い
日本全体では今日まで長らくコメの生産量が過剰で、「減反政策」を進めるなどしてその調整に苦労してきた。
コメは農産物の中でも極端な問題を持っている分野と言えるが、その他の作物でも供給が過少で困っている類のものは皆無であろう。
農業生産への投資を増やしても、再び過当競争の状態に戻すだけなら勿体無いカネの使い方だ。

日本近海の漁場は、魚が多過ぎて震災以前の漁船の数量が必須なのだろうか?そんなことはない。消費者である肝心の日本の人口は減少に転じているし、特に魚に人気があるわけでは無いのでこれまでどおりの魚の消費増加は見込めない。むしろ福島第一原発の放射能漏れ事故による海水汚染で、東北太平洋岸の魚が避けられる方が心配なくらいだ。

被害の無かった漁業者が以前にも増して漁獲量を増やしてくれるなら、市場への供給は満たされる。そして彼らの収入も増える。収入が増えれば後継者も現われやすいから、「研修生」と言う名目で外国人労働者を連れ込み低賃金で働かせることも少なくなっていくだろう。

■津波が持ってきた汚泥や塩分の堆積は誰が悪いのでも無い
被災地に散らばった家屋の残骸や自動車などによる土壌汚染は、その持ち主あるいは政府に片付ける責任を負わせても良いだろう。原発の撒いた放射能汚染も同様である。
しかし地震や津波が引き起こした地形の破壊は誰が悪いのでもない。復旧するかどうかは損得を天秤にかけて決めるのが良い。私有物である農地なら当然ではないか。

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