弱者を見捨てて避難する選択

東日本大震災の発生後福島第一原発の近くにある精神科病院「双葉病院」は、院長を含む4人の職員と90人ほどの入院患者が3日間に渡って救出から漏れて孤立していた。

原発事故の収束の見通しが全く立たず、水道、電気、通信手段そして恐らく人手と食料も欠いた状態で3日間も留まった4人の病院職員達は立派というほか無い。
しかし著しい放射能汚染のように逃げる以外に助かる手段がない災害の場合、脱出できる患者だけ連れて職員達も避難してもらうべきだったのではないか。
つまり一度で避難できない弱者は置き去りやむなしということだ。

■放射能漏れも津波同様迅速な避難が生命を左右する
原発関係者らと違い、一般の人々は放射能に対する防御方法を持っていない。よって放射能汚染事故から身を守るには津波同様即座に逃げるしかない。
汚染の度合いにもよるが、政府が避難を勧告し誰も助けに来ない状態に置かれたら運び出す事が出来ない患者を見捨てていいのではないだろうか。誰も手を差し伸べないのだから誰も置き去りを非難出来まい。
もし病院が孤立し救出もされないままなら病院職員が残留しても患者は死んでいくだろう。そして職員自身もだ。

■病院職員には災害直後そして復興後も活躍してもらわねばならない
病院は今入院している患者だけの為にあるのではない。現在入院している人は遅かれ早かれ死に、また別の人が病院を頼りにやってくる。病院職員が現在の入院患者と一緒に死傷してしまうことは、職員本人やその家族のみならず残された社会が困ってしまうのだ。

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震災のよる子供の死をお金で埋め合わせるべきか

読売新聞によると、文部科学省が東日本大震災で学校から避難中に死亡・行方不明になった子供たちに「災害共済給付制度」の例外的な適用を検討しているという。宮城県からの要望があるとのこと。(学校震災死の児童・生徒、給付金支給の可否検討http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110424-00000032-yom-pol
記事では、災害共済制度は風水害や震災は給付を行わないと定めており適用外が原則とある。その一方、この制度により過去遠足中津波で巻き込まれた事例に対し1200万円が支給されたことも紹介されている。
このように子供の死に対し学校の過失を問わず1千万円を超えるような高額のお金を払う制度や要望には強い違和感を感じる。

■大震災で死んだからと言う理由だけで大金を払う義務はない
第一に子供の死は、お金を貰えば納得できるのか大いに疑問だ。同制度では学校での事故死へ2800万円支給するようだが、お金さえ受け取れば家族の気持ちに整理がつくとはとても思えない。もし大金のみが目的の親族ならそれこそ子供とは「出しに使う」存在以下なのだろう。
災害共済制度の利点として、責任の所在が明らかになる前に迅速な手当ができる事が上げられる。また加害者や責任者を特定できなくても子供の傷病を補償する役割も非常に有難い。
しかし死んでしまっては、最早その子供に養育費をかけることも無い。また学校や行政に責任を問いたい場合なら、お金だけ貰って過失の有無を不問にされたら堪らない。
それとも2800万円で弁護士を雇い、裁判をする権利を実質的に保障するということなのだろうか。
また「命の価値」は大震災で失ったかどうかで左右されないはずだ。

■払いたい人が払えばいいし、過失のある人がいるなら償うべきだ
保険制度というものは、事前に決めた保険金支払いの決まりを反故にすると正直に掛け金を払ってきただけの人が馬鹿を見ることになる。保険対象外の事故が生じた後にそれを例外的に適用と認めよとは甘い。

もし宮城県の総意として学校から避難出来ず死んだ子供の遺族にお金を送りたいなら、宮崎県自身がお金を用意すべきである。仮に国(共済)から貰える場合に限って遺族は補償されるというなら無責任極まりない姿勢だ。

なお学校や行政に過失が認められるなら、遺族の望むことは「お金」ではなく「責任者が罰を受ける」ことではないだろうか。

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村井嘉浩宮城県知事の農地・漁港国有化論

23日、東日本大震災の復興構想会議の場で村井嘉浩宮城県知事が、農地や漁港を一時的に国有化して再建することを要望した。また復興に当たって権限や財源も与えられるこを主張したという。
国有化してまで農業や漁業だけを殊更守ろうとするのは余り賛成できないが、宮城県民の有権者が理解し県内から徴収できる税の範囲内で取り組むなら面白い。

■国有化の後に再び農地として賃貸や譲渡して元が取れるのか
単に農地を震災前の状態へ戻すだけが目的なら農業に対する税金投入に過ぎない。もっとも復旧費用に見合う農業の収益は将来も得られないと村井知事も承知の上で、一時的な国有化という「方便」を主張せざる得ないとも思える。
それとも国有化の後、暫くは瓦礫置き場や仮設住宅の建設地あるいは国だけの都合の用途などに提供するという事も選択肢として許容するということなのか。
漁港の国有化についても同じことが言える。

■好きにしたいなら宮城県で独立してもらいたい
権限や財源をよこせというのは、詰まるところ今まで受け取っていた地方交付税交付金に加えて更にお金を貰い好きに使わせて欲しいということだろう。

しかし宮城県民が納めた税額と関係無しに、国から使途自由な公金を受け取ったら宮城県民も地方自治体も「費用対効果」に鈍感になる。

権限の移譲を望むなら地方交付税交付金を渡すのではなく、宮城県内で徴収した国税をそのまま宮城県内の地方自治体に配分するのが良い。それなら宮城県をただ元の姿に戻すのではなく、どうすればもっと税収が増加する状態に持っていけるか即ち生産性の高い企業を増やせるかという視点に変化することが期待できるかもしれない。
また県民も自らの納めた税金なら、出所不明な公金より高い関心を持つはずだ。何はともあれ宮崎県民の責任だ。

もし税収が足りないなら、自治体の所有物を売却したり公債発行で調達を試みてもらいたい。

東京電力や菅内閣が福島第一原発の放射能漏れ事故に対して責任が問われるのと同様に、地方自治体やその住民も震災に対する備えの結果に責任を負って然るべきではないだろうか。

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余計な農業・漁業の復興

東日本大震災で、津波に襲われた沿岸部の農地は海水と汚泥に覆われた。また漁港の設備も破壊され、漁業者の多くは漁船を失った。

しかし彼ら農家や漁業者への同情の念から復興を後押しするよりも、生産手段を失ったのを機会に引退してもらった方が日本全体としては良いのではないか。

■コメは余っているし、魚もそれほど人気が無い
日本全体では今日まで長らくコメの生産量が過剰で、「減反政策」を進めるなどしてその調整に苦労してきた。
コメは農産物の中でも極端な問題を持っている分野と言えるが、その他の作物でも供給が過少で困っている類のものは皆無であろう。
農業生産への投資を増やしても、再び過当競争の状態に戻すだけなら勿体無いカネの使い方だ。

日本近海の漁場は、魚が多過ぎて震災以前の漁船の数量が必須なのだろうか?そんなことはない。消費者である肝心の日本の人口は減少に転じているし、特に魚に人気があるわけでは無いのでこれまでどおりの魚の消費増加は見込めない。むしろ福島第一原発の放射能漏れ事故による海水汚染で、東北太平洋岸の魚が避けられる方が心配なくらいだ。

被害の無かった漁業者が以前にも増して漁獲量を増やしてくれるなら、市場への供給は満たされる。そして彼らの収入も増える。収入が増えれば後継者も現われやすいから、「研修生」と言う名目で外国人労働者を連れ込み低賃金で働かせることも少なくなっていくだろう。

■津波が持ってきた汚泥や塩分の堆積は誰が悪いのでも無い
被災地に散らばった家屋の残骸や自動車などによる土壌汚染は、その持ち主あるいは政府に片付ける責任を負わせても良いだろう。原発の撒いた放射能汚染も同様である。
しかし地震や津波が引き起こした地形の破壊は誰が悪いのでもない。復旧するかどうかは損得を天秤にかけて決めるのが良い。私有物である農地なら当然ではないか。

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ムダの多い東北地方の高速道路無料化

22日、大畠章宏国土交通相が高速道路料金「休日上限1000円」を廃止することを表明した。現在実施している高速道路無料化実験も凍結、予定していた「平日上限2000円」への値下げも止めるという。
しかし一方で、震災復興対策として東北地方の高速道路料金を無料化することを前向きに検討しているらしい。
震災復興の為に東北の高速道路を利用する者へ金銭的利益を与えるというのは、的を外している。

■東北の高速道路を利用する人のうち、被災者は一部に過ぎない
東日本大震災で甚大な被害を受けているのは、青森から千葉にかけての太平洋沿岸である。津波による破壊と、福島第一原発の放射能漏れ事故による著しい汚染は東北地方の一部である。
東北地方の大部分の住民は津波も受けず放射能汚染の度合いも関東地方と変わらず、どちらかと言えば「被災者を助けてあげる」側ではないか。彼らの高速道路の利用を税金で補填してやる意味など無い。

そんな金があるなら、故郷に財産を残したまま避難せざる得なくなった福島第一原発周辺の住民に対し賠償金の仮払いを即実行すべきだ。

■原発を減らした日本は尚更石油の使い方を見直さなければならない
震災にかかわらず、日本は地球温暖化防止のためCO2排出削減を迫られていた。そもそもクルマの利用を促進する政策は間違っている。
この度の原発事故によって幾つかの原発を失ったので代替の発電の為さらに化石資源を余計に燃やす羽目になってしまった。
よってエネルギー効率の悪い「マイカー利用」は以前にも増して抑え込まなければいけない。

高速道路無料化とは、被災したかどうかは関係なく以前から使用していた人そして自動車燃料を供給する側(石油会社や産油国)とってのタナボタなのだ。

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原発事故から考える電力自由化のメリット

東京電力が労働組合に対し、年収の2割削減することを提案しているという。福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の賠償費用を捻出するためだ。
2割削減とは、まるで国会議員の歳費削減に関するマニフェストのような叩き台に聞こえる。もっともまだ賠償額が確定していないのでとりあえず世論に迎合した対策でも仕方ないのかもしれない。
しかし東電に相応の事故の賠償を負わせ、なおかつ「電力自由化」を徹底すれば、自ずと市場原理で従業員の賃金は適正な金額に調整されるのではないか。

■発電と送電事業の分離は政府の監督という面でも良い
東日本大震災によって、電力会社は原子炉の放射性物質の封じ込める能力を必ずしも持ち合わせていないことが判明した。そして震災直後は「計画停電」を断行したため、電力の安定供給もままならないということを世に知らしめた。

原発の事故防止あるいは原発事故に対し迅速な判断が下せないならば、電力会社から原子力発電所を別の会社に分離した方が良い。分社化すればその組織は原発の維持に専念しその責任が持てるし、政府の方も監督しやすいに違いない。
そして原子力発電所を運営する組織も、その他の発電方法を取る企業との競争関係になればお手盛りの人件費を計上することも抑制するだろう。

■日本全国の商用電源周波数の統一
もちろん原発以外の発電事業も送電と分離して、発電事業者同士競争をすべきだ。関東の電力の消費者も、東北や北陸そして関西にある発電事業者から電力を購入できる環境になるのが望ましいだろう。そのためには、現在東西で50Hzと60Hzに分断している商用電源の周波数の全国統一が必要になる。

なお周波数の統一は市場原理を追及するということだけでなく、この度の大震災で発生したような電力不足を全国で受け止めるためにも実現する意義のある。

■都市ガス会社、石油会社の電力事業参入が期待される
発電事業のみならず送電事業が独占的地位に胡坐をかくのを防ぐには、電力自由化の究極の選択肢とも言える「自家発電」が必要になる。現在でも一部の企業は自家発電の設備を所有している。

家庭のような小口の電力消費者には、今後都市ガスやプロパンガスあるいは石油で発電する装置の商用化が望まれるところだ。燃料電池が相当するだろうか。

電力事業の独占的性質を解消する事が、電力事業者に対し容赦なく責任を追求できる大前提である。また平時に低価格(≒適正なコスト)の電力を享受するだけでなく、東日本大震災のような甚大な災害に抵抗する場合にも複数の電力供給方法が存在する方が強靭な社会になるはずだ。

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化石燃料か原子力か

東日本大震災の中で最も尾を引いている福島第一原子力発電所の放射能汚染事故の為、原子力エネルギーの利用に対する逆風が吹いている。日本国内のみならず世界の世論までも「反原発」に向かわせた。
では原子力発電による電力の確保をやめて、化石燃料から作る電力に頼る社会に戻す方が良いのか。

■世界は石油資源獲得のために戦争までしてきた
かつて列強は主要な石油の産地を支配した。石油が植民地支配の目的の全てではないにしても、世界は植民地の資源を巡って戦争をしてきたのである。

そして欧米から独立後なおも中東諸国の争いは石油問題と決して無縁で無いだろう。
また現在日本の尖閣諸島の支配に異議を唱える中国も、その周囲の海底で化石資源が埋蔵されていると言われるようになったゆえそのような行動に出るようになったに違いない。

仮に火力発電所が重大な事故を起こしても、当事者のみの犠牲で済むかもしれない。しかしその化石燃料確保の経緯まで考慮に入れれば、世界はたくさんの犠牲を払ってきたと言える。
今まで以上に世界が石油・天然ガス資源へ深く依存すれば、それを巡る争いも深刻度を増すはずだ。

■世界の大部分を占める途上国の今後の発展に石油が必要
石油は発電の使用に留まらず、船舶や自動車そして飛行機の燃料として用いられる使い勝手の良いエネルギーだ。また石油はエネルギーとして消費されるだけでなく、石油化学の発展とともにあらゆる分野に利用される素材と化している。

これから世界の大部分を占める後進国が先進国並みの豊かな生活を求めて石油や天然ガスを多量に消費するようになる。それを止める事は出来ないし、彼らに化石燃料の代替として原子力の利用を進めるのは甘いのは勿論だ。

結局先進国が原子力でエネルギーを賄い、後進国が使い勝手の良い化石資源を使うのが争いや事故の危険性を低下させて最も犠牲を少なくする住み分けになるのではないだろうか。

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原発事故から考えるTPP早期締結の必要性

福島第一原子力発電所事故による放射能汚染で、福島県を中心とした農家・畜産業者が生産物の廃棄を余儀なくされている。
事故による賠償額は兆単位に上ると見られ、一次的には東京電力か国が責任を負う。ただし何れにせよ電力料金や税額に跳ね返り、結局は広く国民の負担にならざる得ない。
もし貿易の自由化が農産物・畜産物にもずっと以前から及んでいたなら、お世辞にも国際的な競争力があるとは言えないこれらの業界は遥かに規模が小さかったはずだ。経済的価値の低い彼らの商売を補償することにはならなかっただろう。

東日本大震災復興を優先するため、例外なき関税撤廃を是とするTPP参加判断を先送りにするのが政治的流れになっている。

しかし外国製品の輸入で代替されるような産業は、至急淘汰された方が今後何かしらの事故に起因する補償問題を避ける為に良いのではないか。本来消費者から求められていない産業に対し保護・補償をする羽目に陥るというのは社会全体の観点からはムダ以外の何物でもない。

震災の復興とは、家や家族を失った人の居場所の確保である。被災地でもないところの過保護に通じる貿易障壁の維持は有害無益だ。

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東日本大震災 復興財源は何処に求めるか

東日本大震災の復興にかかる費用をどう捻出するか議論になっている。増税やむなしか、その対象は消費税かそれとも所得税か。または増税の前にまず国債を発行して急場を凌ぐか、その際国債の日銀引受を認めるかなど様々な事が論じられている。

■まず被災地自身が負担すべき
多くの主張が日本全体で被災地の復興費用を負担する事を大前提にしているようだ。
しかし被災者が生き続けるのに、どうしても被災地に留めなければならない理由は無い。日本(特に地方)は人口減少が始まっているので、以前よりは他所に住処を見つける事は容易になっているはずである。端的に言って被災地は放置して移住してもらうのが、早くて安上がりな生活再建方法である。

それでもなお今まで暮らしてきた被災地の復興にこだわるなら、当人が相応の負担をすべきだ。例えば住宅の建設費の場合、一方的に国が助成するだけの必要はない。もともと住人が所有していた宅地を担保に資金を融通し、死後その住宅を国あるいは市町村の物としてもいいではないだろうか。

また津波の被害を大きくするリアス式海岸の入り江は天然の良港でもある。その特性を利用して財産を築いた者ならその地形が引き起こす大きな津波から受けた影響にも全責任を持って欲しい。

■日本全体で負担するなら消費税
しかし自己責任を問うても無い袖は振れないし、被災した子供たちには責任など全く無い。結局他の国民が幾らかの負担をするのは仕方ない。

そもそも所得税には所得の捕捉自体が難しいという欠点があるため、過去長い間消費税の導入が求められてきたはずである。日本全体で公平な負担をするという面で脱税しにくい消費税が最適だ。

消費税だと被災者の消費にも課税される点で反対する向きもある。しかし集められた税は他のどの地域でもなく被災者周辺に投じられるのであるから受忍して貰いたい。

また課税に際し被災者を特別に優遇するにしても、一旦支出の際に消費税を払って貰ったうえで後に被災者に現金を給付した方が、全国の所得を正確に捕捉することに努めて所得税増税するより迅速に公平性が実現出来るであろう。

まず国債を発行して復興資金を調達するにしても、いずれその国債を償還するためには消費税の税率を上げるしかないのではないか。

今回の震災の規模になると、もう税制の一時的変更や子ども手当や高速道路無料化実験などの歳出を止める程度では済まないと思われる。
増加し続ける社会保障関係費や財政再建の対策と合わせて恒久的増税に正面から向き合うべきだ。

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東日本大震災を契機としての首都移転

東日本大震災の影響で、東京電力そして東北電力管内では夏場冬場の電力供給不足による大停電の危険性が未だ存在している。突然の大停電を避けるため電力使用の抑制が求められている中、殆ど自主的な取り組みに依存しているという心許ない状態なのが現実だ。

また石原東京都知事は清涼飲料水の自動販売機やパチンコ店の照明を電力浪費の槍玉に挙げているが、そもそも個人消費の趣向にいちいち嘴を挟むのは余りにも恣意的だし、大幅な節電達成の実現も困難だ。

恐らく電力供給不足は今年の夏だけでは終わらず、東京電力管内の需給の逼迫は数年続くだろう。
それなら皇居、国会、首相官邸そして省庁など国の組織を遠方に移転してしまえばいいのではないか。

■首都移転なら東京電力管内の人口減(電力需要削減)に大きな効果
民間の使う電力消費を公平に削減するというのは難しい。しかし政府そのものの経済活動を調整して電力消費を削減するなら、出入りの業者には多大な影響は出るだろうが表立った反対はしにくい。
首都機能を東京電力、東北電力の電力供給地域以外に移転すること。それは省庁で働く人のみならず、その家族も多くの場合東京を去ることになる。省庁に用事がある人も東京に入ったり、滞在しなくなる。
国立大学を移転してしまえば、当然学生も付いて行く。
恐らく何十万人も転出していき、恒常的な1%以上の電力使用削減に結びつくのではないか。

■いずれ東京にも大地震が来る
遅かれ早かれ東京にも大地震が襲い掛かり、電気、上下水道など社会基盤が著しい損傷を受けるに違いない。都市の規模が極端に大きいゆえ復旧にも相当の時間が掛かる。
東京一極集中と言える機能や人口を、東京が大地震で破壊される前に予め全国に分散しておくことが被害を小さくしたり早く国を再建するのに極めて有効ではないだろうか。

東日本大震災の被災地である漁港や農地の復元には、一体何百億あるいは何千億の税金が投入されるのだろうか。農業や漁業など儲からない、後継者もいないそして納税も少ない産業に税を投入するのはムダである。
新たな首都の準備に取り掛かる方が遥かに大切だ。

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