先月24日COP16(国連気候変動枠組み条約第16回締結国会議)を前に石油連盟、日本鉄鋼連盟、セメント協会など9つの業界団体が京都議定書延長への反対を表明した。
「…京都議定書は、削減義務を負う対象国が、地球全体のCO2排出量のわずか3割弱しかカバーしておらず、主要排出国である米国・中国・インドが対象となっていない極めて不公平かつ実効性の乏しい枠組みです。」
「京都議定書の枠組みが継続されれば…我が国産業の国際的な「イコールフッティング」が図れない状態が長期化し、経済・雇用にも甚大な影響を及ぼします。…この結果、我が国よりもエネルギー効率の劣る他国の生産増につながり、地球規模でのCO2排出増を招いてしまいます。」
(COP16等に向けた産業界の提言 http://www.paj.gr.jp/paj_info/press/2010/11/24-000456.html)
確かに今までのようにCO2排出削減を産業界ばかりに頼っていては、日本国内の産業を弱めるだけで他国からの排出を増やしかねず日本にとっても地球環境にとっても悪い結果にしかならないだろう。
ならば産業界に対する締め付けを止めて、家庭に対し化石資源の使用を抑制すればよいのではないだろうか。
京都議定書で約束した日本のCO2削減は1990年比マイナス6%である。(製造業・エネルギー産業といった「産業分野」は目標達成の見込みである)
一世帯あたりの人数が減少し続けているので、かつてより日本全体で省資源の成果を出すのは困難になっている面はある。
しかし数パーセント程度の省資源を実践しても、決して貧困な暮らしに逆戻りする訳でもないだろう。
そもそも地球温暖化対策とは一部の産業に限らず日本を含めた先進国の暮らし方そのものが見直しを迫られている。
今後は個人や家庭こそが痛みを伴ってでもCO2の削減を強いられる番だ。