農林水産省の官僚の考える日本農業の未来

農林水産省大臣官房政策課長大澤誠氏が日本の農業の概況について、日経ビジネスオンライン(11/5)で述べている。
(『日本農業に未来はあるか 貿易自由化が叫ばれる中で農政のこれからを考える』http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20101101/216898/?ST=print

平均年齢65歳、最も多いのは75歳以上
耕作放棄地は増え続け、所得は半分に減少
人口の爆発で穀物価格がはね上がる
コメが完全自由化すれば値段は4分の1に
圧倒的な輸入大国であることは変えられない
戸別所得補償制度
(農地を維持してもらい、その上で次の世代に継承)
農業の大規模化は「言うは易く行うは難し」
日本学術会議で調べた結果として、洪水防止機能が年間3兆4988億円
農地を目一杯使って達成できるのが「50%」

記事の見出しを中心に抜粋したが、大澤氏の日本の農業に対する見通しは暗い。農業従事者の年齢構成を見れば、農業の大部分は「瀕死」の状態と言っていい。
国内で農業生産を家計を支える事業として継続する価値がほとんど見当たらない。

2008年の穀物価格の高騰を人口爆発が原因と大澤氏は指摘しているが、急騰のきっかけは凶作だろう。人口の増減より毎年の穀物の収穫量の変動幅の方が激しい。世界人口に比べて豊作なら再び低迷するのだ。
もともと日本で生産した場合の平年の穀物価格が高すぎる。それに比べれば国際相場の高騰も霞んで見える。

大澤氏は記事の中で日本学術会議が農業活動による洪水防止機能を年間3兆4998億円と評価している事に触れている。しかし洪水被害の危険性が高くかつ経済活動の低迷している地域の集落なら移転するという選択肢を検討すべきだ。人が暮らさなくなれば以後その場所は洪水になるがままでも構わない。
日本の人口は21世紀半ばにかけて3000万人もの減少が見込まれているのだから、人間の活動域を狭め手に余る地域は自然に帰すことも決して不可能ではない。

長年食料自給率の向上を掲げてきた農水省だが、彼らでさえ最大限度が50%と認めるとは所詮人口が多すぎて自給は出来ないと言っているようにも聞こえる。
結局全ての国民を飢餓から守るには、外貨を稼いで食料を輸入して確保することになる。

それでも穀物を中心とするカロリーベースでの食糧確保が世界的に危機的状況と主張するなら、せめて肉食を抑制する政策をとるべきではないだろうか。人間の食料生産を圧迫する穀物飼料で肉を生産するのは禁止するのが筋だろう。牛肉や豚肉でカロリーを摂取するためにはその何倍ものカロリーの飼料を家畜に与えなければならないのだ。

カテゴリー: 農業 タグ: , , , パーマリンク

農林水産省の官僚の考える日本農業の未来 への1件のフィードバック

  1. 池面ちゃんへクラ○ン孝○ のコメント:

    健ちゃんコメントが優しくなったねww

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です