遅すぎる国際緊急援助隊の出動

ニュージーランド南島の都市クライストチャーチで現地時間22日午後1時頃、マグニチュード6.3の強い地震が発生した。白昼の災害であったため建物の倒壊した様子がすぐに日本でも伝えられた。
一連の災害への日本政府の対応は「国際緊急援助隊」の派遣である。日本時間23日に午前北沢俊美防衛相が国際緊急援助隊に派遣命令を出し、現地空港へ到着するのが現地時間24日午前3時頃のようだ。
地震発生から現地最寄の空港到着まで38時間が経過することになったが、生き埋めになった人を救出するには出動するタイミングが余りにも遅すぎやしないだろうか。

根本的な間違いは当事国の支援要請を待って日本を出発するという点である。
当たり前だが、生き埋めなど一刻を争う事態に相手の主権を尊重して待ちの姿勢でいるというのは被災者の利益になっていない。
また当事国がどういう要請をしようが、日本としては元々限られた人的物的資源しか提供できないであろう。

少なくない数の建物が倒壊し、人命の救出に現地当局が遅滞する可能性が認められる場合、即援助隊を編成して現地へ向かわせるべきである。
大事なのは近くの空港なり港へ確実に降りられる手筈と取っておくこと。被災当事国の要請は援助隊員が機外に出るときまでに受けていれば問題なかろう。
当事国の要請や新しい情報によって、不足するものが判明したら追加して送ってもいいのだ。

なお外国政府からの問い合わせに返答できないなど被災地の統治が機能していなければ、もう外国の主権に関わる法的手続きは無意味だろう。被災者本位で行動すべきだ。自国民が被害に遭っているなら尚更である。

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